Center Hole Depth Master(SUS440)|90°センター穴の深さ基準を±0.002で管理する高精度マスター

架空点(ボール接触点)基準で深さを数値化|90°センター穴専用の校正用原器

センター穴は60°だけとは限りません。
当社には90°のセンター穴加工の依頼が届くことが少なくありません。

今回は、90°センタの基準径から端面までに公差が存在するセンター穴深さマスターに関する課題解決事例をご紹介します。


製品仕様(Specification)

品名:Center Hole Depth Master(SUS440)
形状:φ34.5 × L76
片側端面形状:90°すり鉢状センター穴
基準寸法:
φ4.7625ボールを90°穴に載せた際の上面〜下面距離
74.3492 ±0.002
仕上げ:精密研削仕上げ
材質:SUS440
熱処理:焼入れ焼戻し HRC40以上
表面処理:なし
設計:お客様
数量:1個
当社製造番号:26-00211


課題:『実体のない基準点』を±0.002で管理

本製品で重要となるのは、外形寸法ではありません。

管理対象は、

『φ4.7625ボールを90°センター穴に載せたときの接触頂点(架空点)』

から

『下面までの距離 74.3492 ±0.002』

です。

この接触頂点は、通常は存在しない“理論上の点”。
常時ボールが置かれているわけでもありません。

つまり、
『見えない基準点を前提にした寸法管理』が求められる案件です。


技術ポイント①:90°センター穴の高精度加工

一般的なセンター穴は60°ですが、本製品は90°仕様。

さらに、

・ボール径:φ4.7625
・接触部:φ5前後の微小領域

という条件により、接触状態の再現性が非常に重要になります。

要求される要素:
・角度精度(90°の正確な維持)
・面粗度の均一化
・ボールが安定して座る接触形状

わずかな誤差でも接触位置が変わり、結果として高さ寸法に影響します。


技術ポイント②:架空点を扱う測定技術

架空点寸法を管理するため、

・実際にボールを載せた状態での測定
・測定治具の精度管理
・再現性の高いセッティング

を徹底しています。

単なる穴加工ではなく、
『接触状態を含めた測定設計』が重要なテーマです。


技術ポイント③:底面の平面研削による寸法調整

寸法は以下の流れで管理しています。

・ボール接触位置を基準に高さを算出
・下面を平面研削で調整
・μm単位での位置合わせ
・温度影響の抑制

加工と測定を連動させることで、±0.002の範囲に収めています。


用途:センター穴深さの基準原器

本製品は、以下の用途で使用されます。

・90°センター穴の加工深さ確認
・工作機械のセットアップ基準
・加工条件の基準化

いわば、

『センター穴深さを判断するための見本』

となるマスターです。

この基準にズレがあると、量産品すべてに影響が及びます。


材質SUS440を採用した理由

SUS440は以下の特長を持つ材料です。

・高硬度で摩耗しにくい
・耐食性が高い
・長期使用でも安定

特に、湿度や保管環境の影響を受けにくいため、
基準マスター用途に適しています。


このようなお悩みはありませんか?

・センター穴の深さ基準を明確にしたい
・90°センター加工の基準を作りたい
・架空点基準の寸法管理に対応したい
・±0.002レベルのマスターを製作したい
・加工と測定の両方を理解した会社に依頼したい


まとめ:見えない基準を“測れる形”にする

本事例の本質は、

『理論上の接触点を、実測可能な基準へ落とし込むこと』

にあります。

加工精度だけでなく、測定方法・再現性・運用まで含めた設計が重要です。

渡辺精密工業株式会社では、
架空点を扱う高精度マスター製作にも対応しています。


FAQ(よくある質問)

Q1.90°センター穴の深さはどのように測定しますか?
A1.指定径のボールをセンター穴に載せ、その接触頂点から基準面までの距離を測定する方法を採用します。

Q2.なぜボールを使用するのですか?
A2.接触位置を安定させ、再現性のある基準点を作るためです。理論上の頂点を実測可能な形に変換できます。

Q3.±0.002の精度はどのように管理していますか?
A3.ボール接触状態での測定、平面研削による微調整、温度管理を組み合わせて精度を管理しています。

Q4.60°センター穴にも対応できますか?
A4.はい、60°・90°いずれのセンター穴にも対応可能です。用途に応じて最適な基準設計をご提案します。

Q5.SUS440以外の材質でも製作できますか?
A5.可能です。使用環境や耐摩耗性、耐食性に応じて最適な材質をご提案します。


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<金型>
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<その他加工>
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<設計>
ゲージ設計、測定治具設計、総型ゲージ設計、総合ゲージ設計、測定ゲージ設計、検査治具設計、機械加工治具設計 、省力化・自動化治具設計

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